ここはくらい。どこまでもくらくて なんにもない。
ここにひとり。いつまでもひとりで だれもいない。
おれのいるべきばしょは ここじゃない。
おれのまもるべきひとは ここにいない。
ずっと てをのばしているのに。
ずっと なきさけんでいるのに。
このても このこえも とどかない。
おれが おれだけが このふかい「闇」と「孤独」にむしばまれていく。
どんなにもがいてもあがいても 「闇」と「孤独」にのみこまれていく。
ほかにはなにもないから いつしかおれは それらをうけいれた。
すきだとおもえば 「闇」も「孤独」もここちよい。
けれど おれは あきらめていない。
「闇」と「孤独」にだかれながら ゆめをみる。
おれのてが おれのこえが いつかとどく。
おれのいるべきばしょへ おれのまもるべきひとのもとへ いつかいける。
ちかくてとおいそのばしょを ゆめにみながら ねむりにつく。
そこはきっと 「闇」よりも「孤独」よりも ここちよいばしょだろう。
終